SS



天気。





明日の天気の事を考える。


晴れたらいいかって?当然さ。
雨が降ったら、このルートで行くのはマズい。
深い森は体力を奪う。味方はバタバタ倒れちまって、気がつけば俺独りだ。


味方―――…。
ハッ、静かにしなきゃいけないってのに、思わず笑いそうになっちまったぜ。

茂みに縺れそうになる足に力を入れる。



俺の味方は、俺だけだ。



もうすぐ森が切れる。今晩はこの辺で休もう。
もう、喰うもんもねぇから、やる事と言ったら寝るだけだ。

大きな木の上。太い枝と枝の間に身を落ち着け、とるもとりあえず目を閉じた。



いつか、こんな生き方に終わりが見える日がくるんだろうか?


生きのびるために、明日は晴れればいいと、願う俺。
天気の事を考えるのはいつもそんな時だ。

明日晴れたら何をしよう、とか。
生死と関わりの無いところで、そんな事を考える日がくるといい。


いつかでいいんだ。


湿った森の匂いが、鼻につく。
鼻が利きすぎるっていうのも辛いもんだ。
ゆっくりと、気配を森に溶け込ませていく。



明日のために。いつかのために。





fin.



ウルヴァリンは昔、CIAにいたこともあったらしい。
シチュとしては、クリード達と組む前の特殊工作的任務中ということで。
超回復能力のせいで、普通の生き方が出来なくてその道に入ったけれど、
そうじゃなかったらっていうのと、いつかそうなりたいっていうのを夢見てます。
言ってて乙女っぽい事に気がつく…。しまった…(汗
(2003.10.25脱稿)

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