夜。
静かな夜だ。
こんな夜は、普段周囲に向かう思考が、私自身に向かう。
この身の内側に、深く深く、沈んでいくのだ。
現在から過去へ、私の旅は続く。
時に戦い、勝ち取ったもの。そして、無くしたもの。
様々な営み。破壊から生まれたもの。そこから永遠に帰らなかったもの。
私は彼ら、彼女らと繋がった。私はそれを憶えている。
たとえ、二度と触れ合えないのだとしても。
私の身の内に残っているのだから―――。
ゆっくりと、身を興す。
そして、私は未来に思いを馳せる。今度は、昇るのだ。
恵まれし子らの学園。
私の目指す理想。
そして、エリック。
この静かな夜は、闇のみで形作られているものでは無い。
そこには、月が、星が、命が息づいている。
私は、そんな世界に安堵を覚え…そして、君の事を考える。
私は、未来を信じている。
君とも、また触れ合える。
君とは、まだ触れ合える。
ゆっくりと、
この夜よりも静かに、夜明けが近づいているのを感じて、私は目を閉じた。
fin.
夜中に、色々考える教授。
X-MENの初期のメンバーではお亡くなりになった方もいるので。
理想のために歩んできた道をふと振り返ると、色々思う所もあるわけです。
それでも、最後に考えるのがエリックの事なのが、教授っぽいかなぁと(苦笑
(2003.10.24)