好き勝手語り
第一回:教授と磁界王、その心は?
(2003.10.21脱稿)
※教授と磁界王の呼び方について:
教授(チャールズ、チャーリー)磁界王(エリック、マグ様)等
呼び名が交錯しますが、ご了承下さい。
さて、腐女子として避けて通れない道…それはカップリング…。ということで、
楽しいカプトークのお時間がやってまいりました。まず、一回目として、X-MENの指揮をとる
プロフェッサーXことチャールズ・エグゼビア教授と、ブラザーフットを組織する磁界の帝王マグニートーことエリック・
マグナス・レーンシャーの二人について。
>>>出会い、それは衝撃…
彼らの出会いは、戦争被害者救済の病院だったらしいです。そこでこっそり自分の能力を使って、
患者に治療を施していたチャールズは、エリックと出会い語り合ううちに、彼とミュータントの未来について理想を共有する
仲になっていったらしいです。
「理想を共有し、語り合う」…たった一文ですまされてしまう説明ですが、この一言にはものすごい意味が
備わっていると思うのですよ。
お互いミュータントとして人間とは違う苦労もあったろう、そんな中で初めて出会った「理想を共有する」相手!
今までミュータント能力の事もあって、心から思っている事を語れる相手なんていなかったであろう二人が、
初めて出会った「自分の理解者」なわけですよ。 ここで、あえて初めて…という言葉を使ったのは、
同じ目線で理想を見つめる相手という意味で。 自分がミュータントであると言うことの負い目や
マイナス思考な傷の舐め合い的なモノでは無く、「ミュータントの未来について」という建設的な内容での
語り合いをやってのけられる相手っていうのは、そうはいないと思ったもので。
お互いに、そんな相手は二人といないんですよ?
男には自分の世界がある…ってのはルパン3世の歌ですが、その世界を共有出来るような相手っていうのは
一生ものの相手に他ならず、そこに女や生半可な恋愛の入る余地は無いのです。当に二人の世界!!
>>>理想のために袂を分かつが…
そんなわけで、二人の間にはこの時点で、どうにもならない絆が出来上がっていると推察されます。
彼らはちょっとした行き違い(チャールズ談)で袂を分かつわけですが、
今後の様々な事件を見るにつけ、ある大いなる疑問が湧きあがってきます。
それは、理想を持ったがための友か、友を持ったがための理想かっていうアレで…。私としては、後者のような気がして
ならんのです。お互いに自分独りで考えていただけなら、ここまで話が大きくなる事は無かったような気がするのですよ。
言うなれば相乗効果というやつで。語り合う事によって理想の具体化や発想が大きな展開を見せ、思いが過剰になっていった
のではと。 二人の違いとして、チャーリーはテレパスだからと言うこともあり、比較的思考回路が柔軟だったのに対して、
マグ様は感じやすかったんでしょうね。言い換えると、マグ様の方が友情に厚かったというか、よりチャーリーを愛してたんですよ。
なんでここでそれが出てくるのかといいますと、二人で語ったミュータントの明るい未来を万難を排して、完璧に
実行するためには、早い話が人間なんていない方が良いわけなんです。 マグ様にしてみれば、チャーリーは「あんなにミュータント
の平穏を語り合っていたのに、何やねん!」って感じなんだと思います。究極問題として、「人間とミュータントとどっちが大事だ!」
というような意の事を彼はよく言ってますが、何のことは無い。「人間と私(と語り合った理想)とどっちが大事だ!」なんですよ。
つまり、究極の焼きもちです。 エリックがこの事に自分で気がついているかは謎ですが、途中で気がついて、それ以降何とか
しようと思って思考読み取り不可ヘルメットを作ったりとかしてくれてたら私の思い通りなんですが…<まて
一方、チャーリーにしてみればその飛躍は全くもって理解不能なんですね。
これは彼がテレパスなせいだと思うのですが、彼は誰とでもある程度繋がれるわけで、
繋がるという密であり、またその一方で希薄な関係を多々経験している。そんな彼にとって、人の感情を知る事が自分の感情の
ポケットを広げていく事であったのではと勝手に想像するわけです。
しかし、そこでチャーリーが知る事が出来るのは、相手の中で感情が整理されている部分だけなのです。
言うなれば、整理できていない感情(相手自身が何かわかっていない感情)は何か分からない。だから、エリックが人として
整理できない感情の流れを今一実感をともなって想像できないというか。
教授は全ての行為と感情に名前と意味を与えて整理しているような気がするのです。テレパスとして自分を保つためにそれは必要な
事だったのかもしれませんが、悲しい習性かもしれませんね。
>>>二人の幸せ…それは?
敵、味方…世の中はそんな二元論では語れません。なんて、当たり前の事ですが、勧善懲悪な漫画の世界で、
そんな事を言ってはお話になりません。ということで、マグ様の位置付けは時に敵、時に味方と二転三転します。
その二つの呼び方しか無いわけではないと思う私は、エリックとチャーリーの関係は
お互いにお互いしかいない、唯一無二の関係であると主張したいです。敵だろうが、味方だろうが二人の間に
流れる空気の根本が変わらないのが、その良い証拠です。そもそもそんな呼び方はナンセンスです。
お互いに想い合う相手として、彼らは敵同士。だったら彼らは幸せではないのか?
いえいえ、そんな事はありません。敵同士っていうのはお互いに嫌でも無視できないんです。
お互いの事を常に気に掛け、相手は今どうしているか、思いを馳せるのも
また楽しい事でしょう。味方同士だったらどうかって?もちろん、楽しいに決まってます(笑
彼らは今でも理想を語り合ったあの頃のままです。だからひょんな事で出会うと、主人公たちをほっぽり出して
二人の世界を始めてしまうのです。 そして、必ず、「もう一度一緒に〇〇しないか?」とか、「今でも〇〇なのか?」
とか、周りには解らない話題で盛り上がります。それはもうしょっちゅう愛を確認しなければ不安になるカップルのように。
そんな愛の確認作業に世界が巻き込まれているわけで、そう考えると人間としては、何か言ってやりたい気にも
なりますが、それこそ馬に蹴られるというものでしょう。
一生恋愛の緊張感を持続させるという事において、彼らの距離は理想です。つかず離れず、どこまでも。
え?どっちが、上か下かって? これは本当にカプトークなのかって? ほほほ、それこそ野暮の極みですよ。
愛の前に性別が関係無いように、愛の前に肉体的なあれこれは関係無いのです。
そう、そこに愛があれば、それがどんな関係であれ、彼らは幸せなのです。