好き勝手語り
第二回:何故今、黄色タイツなのか
(2003.10.29脱稿)
※私は、映画のウルヴァリンも彼を演じるヒュー様も大好きです。
ヒュー様のウルが
悪いと言っているわけでも、
駄目出しをしているわけでも無いので、そこの所は誤解しないでくださいませ。
第二回は、私の個人的大ヒット、黄色タイツのウルヴァリンについてです。
私は、映画からX-MENに入ったのですが、映画のイメージもよく固まらないうちから
アニメを見て、そのままの流れで原作に突入してしまい、現在にいたります。やはり情報量と
バックボーンがしっかりしていて、複雑なストーリーに裏づけされたキャラの方に気持ちが傾いてしまう。
というのは設定マニアな一面をもつ自分の性なのかもしれません。
しかし、それを抜きにしても、これだけは言っておきたい!私は、アニメ&原作のウルのここに
惚れたね!というのを今から熱く語ってしまおうというわけです。
>>>映画からアニメへ。ウルの第一印象は…
映画のウルヴァリンは、かっこよかったです。もう、ヒュー様のお色気にすっかりやられて、メロメロでした。
そんな映画のヒュー様なウルが最初だったので、初めてアニメのウルを見た時は衝撃でした。
OPを見た時、思わずウルを探しましたよ(爆 マスクだったし。 かろうじて、爪が出ていたので、コレなんだろうか…。
いや、でも…。とまだ疑う始末。 よっぽど黄色タイツの衝撃が強かったようです。
で、本編が始まって初登場の時、彼はやっぱりマスクで登場。 映画のヒュー様は顔をいつも見せて
いたので、こっちのウルはいつ顔を見せてくれるんだろう…とドキドキしてました。番組半ばになって、
やっと私服の場面があったのですが、今度は別の意味で衝撃でした。 オヤジ度が5割増になってる…。
いや、本当に。声も江原さんなので、しっかりオヤジです。強面度も5割増。ガタイは3割増。
もみ上げも3割増。後に、原作では彼は自分の事を「老いぼれカナダ人」と自嘲気味に語る
事もあるという事を知るも、当時私の中で、彼の原型はヒュー様だったので、何が起こったか
微妙に理解できず、戸惑うことしきり。しかも、何だか性格も微妙に違う。というか、こっちの方が
強情で、凶暴で、チームの和を考えないは、口は悪いは。というか、口を開けば「うるせぇ!」と、
「俺に指図すんじゃねぇ!」な感じで。 あの可憐(間違い)なヒュー様の面影は何処に…?
そんなわけで、アニメのウルにカルチャーショック(違 を受け、こりゃどうしたもんか…と思いながらも、
アニメは続いていくわけなので、それを漫然と見てました。 そんな私にターニングポイントが現れるのは
そう遠く無かったです。
>>>放っておけない男の魅力
最初はそんな印象だったアニメのウルですが、4、5、6話辺りから、ちょっと様子が違ってきます。
映画同様、しっかりジーンに惹かれてて、しかもジーンはサイクとラブラブで…っていう、
例の三角関係は健在でした。<ていうかこっちが元なんだしね
そこには、ジーンの事となると、とたんに恋する男(乙女風味)になってしまうローガンさんが…。
私が、アニメでウルが気になりだしたのは、ジーンにそでにされた時のあの何とも言えない表情が、
何だかとても哀れな感じだ…と思ったのが始まりだったのです。
映画のウルは「男を脱がすのが趣味なのか?」とかニヒルな笑い付きで言えるのですが、
アニメのウルはそんな事とても言える雰囲気じゃありません。「行くな…」と、何とか搾り出すように言うのが精々です。
もちろんお触りもありません。 サイクはよくヘタレへタレと言われていますが、私に言わせると、アニメの
ウルの方が、恋愛に関してはよっぽどヘタレだと思います(告白
だって、ジーンとサイクの愛の深さを思い知らされたとか言って、
傷心のあまり二人の写った写真を破いて旅に出るような男なんですよ!
これを乙女と言わずして何と言おうか!! そして、そんな傷心のウルに追い討ちをかけるように、
因縁の相手セイバトゥースが最果ての地に傷心旅行中のウルを襲いに来ます。
ここで、私はウルの事を心底気の毒な男だと思いました。おちおち感傷にもひたれやしない。
今も、今までも、なんて踏んだり蹴ったりな人生なんだ…と。
その思いが更に深まったのは、セイバートゥースにやられた後、とある集落でひと時の休息を味わっているウルの
反応を見た時です。 トランポリンみたいなもので皆が遊んでいるのですが、それを見ているローガンと
村長。村長が、ローガンに、「加わってみては?」というような事を言うのですが、そこで、彼は
「よせよ、俺なんかが出てったら…雰囲気ぶち壊しだ…」って言いうのです。
でも結局断れず加わったローガンは楽しそうに笑って、最後に、「こんなに笑ったのは初めてだ」とも言ってました。
私は、このシーンを見て、ああこの人は本当に辛い思いをしてきたんだなぁとしみじみと思ったのです。
その時に、ふと彼のチームにいる時の、目に余る威嚇行動や、頑なな所は彼なりに、自分を保つためのポーズなんだということ
が実感を持って認識できたのですよ…。 そしたら、もうこの黄色いタイツを自分の鎧にしている小さなおじ様が
どうにも可愛く、またいじらしく思えてきて。気がついたらもうすっかり嵌っておりました。
ついでに言うと、彼は自分が好ましく思われていないと思っています。 「俺なんか…」ってセリフは
それを象徴しているように思います。 そんな判ってないのは本人だけだよ…と私が思うとおり、これからもウルは
様々な相手に狙われ、虐められと大変です。彼は色々な意味で、放っておけない男なのではないかと私も思うので、
これからも生暖かく彼を見守ろうかと思っています。 手を出せないのが辛い所ですが…。<待てよ
>>>原作とアニメのウルの違いは…?
アニメのウルは、そんな感じで、すっかりヘタレっぽいイメージなのですが、
原作のウルの印象は?というと、またこれはこれで一味違ったものになります。
原作の彼は、どちらかと言うと、ヒーロー的側面が顕著に表れていて、
アウトローな渋みが全面に出ています。 特に黄色タイツの彼はニヒルで影が漂う過去を持ちつつも、
自分を強く持っていて、やる時はやる。外見や自分自身に多少コンプレがあるのも、共感を呼びます。
原作では、戦いがメインで、キャラの細部のエピソードは、番外に任せてしまえるからかも
しれませんが、どうにも余所行き風味なんですね。
アニメの彼はヒーローとしての雄的見せ場よりも、付けねらわれたり、攫われたり、囚われたりといったヒロイン的
エピソードの方が多く感じられ…。(強調してるのは、私にフィルターがかかっているから
かもしれませんが、それはこの際置いておきます。)どっちかっていうと、X-MEN個人の内面や人間関係に主軸がちょっと傾いているような気がします。
感情移入に外せないエピソードをきちんと入れてきているせいか、その結果として、ウルがより
等身大に近くなっているというか。
原作に関しては、私が読んでいる分があまりにも少なすぎて情報不足ゆえ間違った解釈をしている面もある気がします。
何本かある番外系のシリーズも全部網羅したならば、きっと同じようなイメージに帰結するとは思うのです。
原作の彼も表に出さないけれど、アニメで見せてくれたような内面的色々があるんだとすると、
たまに見せるちょっと抜けた仕草や、ニヒルに決めてるんだろうポーズまでが妙に可愛く思えてくるのです。
何が言いたいかって、捕らえるカメラのアングルが違うだけで、結局同じウルなんだって事なのです。 どっちの側面をクローズアップするかによって、人物像がえらく変わりそうになる、そんな複雑な面を併せ持っている
辺りも、ポイントの一つですよね(笑
そんなわけで、映画全盛の今、黄色タイツのウルヴァリンにすっかり嵌っている私です。
あの毛むくじゃらで、ずんぐり体型な所も、見慣れると、むしろそれが可愛くて。<末期
映画のウルはウルで、また別の魅力を持っていて。それはそれで大好きですので、そこら辺の所もそのうちに、それっぽく検証したいなぁ…と
思いつつ、今回はこの辺りでしめます〜。