ウエポンX/WEAPON X
(writer/artist/colorist: Barry Winder-Smith)
※管理人別サイト日記と知人に出したメルから抜粋※
そのうち気が向いたら、書き直します。
読み返すたびに新たな発見があって、まだまだ、書き足りないので…。
ちなみに、下のは一回さらっと読んだ時の感想です。
■ストーリー概略
ローガン(この話ではウルヴァリンという名前は出てこない)が拉致されて、「ウエポンX」の
被検体にされ、改造が施されていく過程と、兵器として意志を奪われての実験の様子と、
研究所からの脱出までを克明に描いている作品。
「ウエポンX」の指揮権を持つハゲでメガネで教授と呼ばれている(多分これが
映画でのストライカー的位置付けだと思われ。でも軍人には見えないんだ…)男と、
コーネリアス博士と、関連する研究者が、ウルを素敵に辱めてくれてます。
教授は最後まで名前が出てこなかったので、ストさんと同一人物か確認できませんでしたが。
ちなみにウルの記憶はこの実験で無理やりぐちゃぐちゃにされてます。
「改造」と「調教」が必要とか言われてたり、
「私の命令だけに従うようにしなければ…」ということで、身体中にコード埋め込んで
自由意志を奪われたり。<何処の同人誌だよ… ウルの人権は無視で、やりたい放題なお話ですが、
むしろそのおかげか、腐女子にはたまらない一冊に仕上がってます。
■感想
怒涛の勢いで読了して、しばらく言葉も出なかったですよ…。
淡々とウルが捕まって、実験されて、脱走して…という一連が描かれているのですが、その淡々っぷりが、非常にツライんです。泣きそうになりましたよ。
実験中は、変な煽りや、ウルの心情描写が無いせいでか、黙々と進んでいく実験の異常さや、人間の狂気みたいなものがより演出されてて。その無機質さ、酷さにも結構来るものがあったのですが、それ以上にウルの心ですね、やっぱり(T-T)
彼の思考吹き出しが一つも出てこないので、彼が実験されている間一体本当はどれだけ辛かったのかとか、何を考えていたり感じてたのかは分かりません。でも、それを言葉で伝えようとしてないのが、この漫画の凄いところで、演出なんだと。 結局ウルは実験中にずっと意識があったわけで、自分が何と言われていたのかも聴こえていた訳で。その事実さえ分かってしまえば、後はウルの叫びと血と抵抗…それだけで、彼がどれだけ辛いか伝わってくるのですよ。このやり方はスゴイと思いました。
このお話の涙腺壊れ度は、X-MENでのウルを知っていればいるほど、あと想像力があればあるほど上がります。 感じない人は、淡々と読み進めていたら終わりが来てしまった・・・と肩透かしを食うかもしれませんが、妄想指数が高い私にはかなーりキツイ一冊でした。 ガッツリやられました。この話を読むことで、ウルの夢の恐怖の一端が見えます。未読の方は是非!