WOLVERINE #111
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■ ■■ Talk ■
語り色々。■ □■


WLOVERINE #111
(March 1997)
Writer: LARRY HAMA / Penciler: ANTHONY WINN


途中に挟まるセリフの日本語訳は、私が適当に意訳しているものなので、
ちょっと所じゃなくおかしい所があるかと思います。
ここが違うよ…っていうのがありましたら、やさしく教えて下さると嬉しいです。
ネタバレもしてますので、お気をつけ下さい。
 前後の話がわからないので、はっきりしたことは言えませんが、ウルヴァリンが、セイラムセンターに帰ってくるところから話が始まります。
 時期的に、ゼロトレランスが始まった辺りということで、教授は政府に身柄を預けて学園を去った後で、いません。破壊された学園の壁を、ホログラフ(ビースト作なのかな)でごまかしていたのですが、ウルは鼻がいいので、すぐ気がついて壁にそのまま入っていきます。二週間いなかっただけなのに、ジーンとオロロに熱い包容を受けて、ウルはまんざらでもない様子。ジーンの「日本への旅はどうだった?」とのセリフからウルはどうやら日本に行っていたらしいです。居なかった間に、自分のバイクの世話をサムに任せていたらしく、サムと握手しながら、バイクをちゃんと見ていてくれたか、確認しています。サムも笑って「言われた通りにやってるよ」と楽しそう。
 この後話題はボビーの事に移ります。ボビーは、お父さんがグレイドン・クリードの陰謀でリンチを受け大怪我をしてしまったことで、両親とすごすために学園を去ろうと決断。彼が部屋で一人荷作りをしていると、ウルがボビーと話をしに現れます。ここでの二人の会話で、ボビーとウルはすれ違い(遭遇率の問題)が多かった事が解ります。二人の境遇の違いも、お互いを近づける機会を逃した原因になったのかも。ウル曰「思うに、俺たちは本当の意味でお互いの事を知ることは無かった。そして今、お前は去ろうとしている」これに対してボビーは「友人関係を始めるには、遅すぎるんだ、ローガン」と一言。するとウルもそれに同意して、部屋を出て行こうとします。でも、そこで最後に「だが、これだけは知って欲しい。俺がお前を尊敬してているってことと、もしここで、お前とお前の大切なもののために、俺にできることがあったら…。俺は、お前のためにここに居るぜ」とグッとくるセリフを残していきます。
 その後、ウルに怪しげなホロメッセージと変な箱が届くのですが、この場ではあまり詳細がはっきりしないので、置いておきます(逃 そうこうしている内に、ウルはストームにボビーと三人で、温室に行かないかと誘われます。オロロはそこで、ボビーに昔ローガンにもあげたんだけど…と、品種改良された薔薇を、私を忘れないで…と渡します。そこで、ストームは、学園で育った自分たちは温室でしか生きられないその花に似ていると、人は言うかも知れない…と最後には切なそうでした。
 夕方になって、メンバー皆で「HAPPY'S HIDEWAY」というパブに行きます。ウルはバイクの具合も見たいし…ということで、サムとタンデムをします(残りのメンツは車です)。サムがウルの腰に手をまわしているのがおいしいと思いました(笑 ウルは、そのパブにて、一人で離れた席で酒を飲みながら、色々考えてます。学園を永遠の住処だと思っているけれど、10分前辺りから、その居場所が自分に不快な感じを与え始めたこと。(仲間はずれ構図です。ウルの席だけ離れてて一人なので)ウルは、語り尽くせない程、X-MENとして沢山の経験を得たけれど、若者とは相変わらず相容れなくて(自分年寄りなのでってまた自嘲してるし)、自分は帰ってきた事を歓迎されたけれど、どうにも浮いていると感じている様子。そして、「こんな時は、キティや、カートやジュビリーが恋しい」って言ってます(心の声で)。何気なく上がるカートの名前に新密度が伺えてニヤリとしてみたり(笑 そしてついにウルは独りで、幽霊と話してくる、と言って店を代えて飲みなおしに行きます。サムには、皆と車で帰れと一言。
 「AUGER INN」という行きつけのバーで独り(本当に独りです。他の客の姿も無いし)、鏡の向こうに見える旧友や、恋人の名をよんで、乾杯するウル。切ないです。シルバーフォックスの名が出たときにウルの背中が小さく見えました。もう朝の4時だし、店員に家に帰る時間ですよ…と言われて、ウルが「家?ああ…、あそこに帽子が置いたままだったな…」と言って店を出ます。この一連のシーンはたった4ぺージなのに、ウルのX-MENの中に居ても感じる孤独みたいなものを的確に描いていて、唸ってしまいました。
 更に場面は移って、ウルは独り教授の居なくなった彼の薄暗い書斎で、教授と自分とX-MENの関係を考えながら朝を迎えます。ウルは自分なりに、自問自答しながら、先程感じた違和感の原因に気がついていきます。ここもまた切ないシーンです。ウルがどれだけ教授の事を想っているのかがわかります。「俺は何をすればいい、チャールズ?あんたに会うまで、俺は自分が助けを求めている事さえ知らなかったんだ。俺は何でも自分で上手くやれると思ってた。誰の助けも必要ないと思ってた。アルファフライトにいた時も、その考えを切り離すことはできなかったのに。ここに来てどうやって、俺はここに馴染んで……。俺は…解っていた。ここはあんた無しでは以前と同じになりえないんだ、チャールズ。あんたはいつも答えを持っていた。答えてくれ。この廊下を見つめながら何をしてたんだ?あんたが見つめてたのは闇だけなのか?」(ここでウル入りの暗い一コマが挟まるのが秀逸。そして朝日が昇る)「どんな朝でも、日は昇る。そう俺に教えてくれたのはあんただったな、チャールズ…。確かに、その通りだ」窓から差し込む朝焼けの中、太陽に目を細めるウルの表情が言葉にできない感慨を伝えてきます。
 シーンは変わって、新しい朝が来た、働く時間だ…ということで、ウルは独りデンジャールームへ(この時点ではもう黄色タイツにお着替えしてます)。独りなので、設定も自分で。自分用の設定にしたつもりでボタンを押すのですが、全然覚えの無い状況が出てきてビックリするウル。そこで、やっと今回の真打登場。悪夢の親玉、みたいな言い方をしています。この敵さんのやること言うこと、何だか…(−−; 「私に服従した方がいいぞ、ローガン」とか、「私は最後にはお前を手に入れるだろう」とか、マリコをゾンビ状態で呼び出して、ウルを苦しめにかかったり。最終的にウルに撃退されるのですが、今回はこれで勘弁してやるみたいな、お約束の捨て台詞プラスマリコを置いていきます。「彼女は、死者が生者に対して抱く憎しみに取り付かれている。だがローガン、彼女を拒絶するのか?お前にそれができるか?」ウルは、自分の肩に手をやるマリコに呼びかけて、何か言おうとします。見た感じでは、突き放すことは念頭に無さそうです。それよりも伝えたい事で頭が一杯の様子。このままだとどうなってしまうんだ…って所でスティック登場。美味しいところを持っていきます。「彼を放すんだ、お嬢さん」って感じでしょうかv スティックがマリコを土に帰して、何とか事は収まりました。この後敵の正体について多少問答しますが、ここでもまだはっきり解らない。スティック曰、ウルは昔から知っている相手なんだそうですが。「彼の運命は全て、お前のそれを巻き込んでいる。お前は、この一連の意味を考える必要がある。おまえは、どんな決断をしても、この道の上にいるということだ。そして、時々その道はお前を、お前を守ってくれる場所と、お前を愛してくれる人々から遠く連れさってしまう。しかも、それに変わるものは悪いものだ。とても悪い。聞いてるか?」ウルの不幸街道(苦笑)の話をしてスティックは去っていきます。
 その後、ウルはバイクでまたもサムをバックシートに乗せて、バイク屋に。サムの嬉しそうな顔といったら…。私ドキドキですよ。<まて 新しいバイクを買って、今乗ってきたバイクの鍵をサムに渡し、「毎朝乗って、故障したところも直しておけよ」って渡します。サムが、どうして自分でやらないのかと訊いたところで、ウルがまたしばらく遠くに出かけることが発覚。サムに、近場で電話を掛けるってジーンには言っといてくれ、とか言ってます。やはりジーンが絡むと何か可愛い。お家に電話かぁ、微笑ましいなv最後のストームに宛の伝言が更に印象的。最後だけは原文で…。
「ONE MORE THING... YOU TELL STORM THAT THIS OL' CANUCKLEHEAD AIN'T NO HOTHOUSE FLOWER FOR SURE!」


 このペンシラーさんには、表情や背中で心情を語らせる、静かな中にも確かな表現力を感じました。ライターさんも、渋く深い話を展開していて、私の好みでした。#112までで変わってしまうみたいで残念(−−;
 教授がいないX-MENって、そのままですが、先生のいない学校なのですね。ウルのような独りどこか違うタイプの子は、先生のいない学校という、目的(普通なら勉強ですが、X-MENの場合は任務とか特殊工作なのかな)の見えない空間に居づらいんだろうなぁ…と思いました。目的があるから団結があって、そこから生まれる関係もある。そこで生まれた関係はそれ無しでは成立し得ないものだったと思うと、それがなくなって違和感を覚えるのは当然かと。そう考えると、教授が物理的に居る居ないというよりも、彼が理想を追う強い信念を持ってある、ということがウルの言うかつてのX-MEN成立の必要条件な気もするのです。ウルは、夜明けを見つめながら何を思っていたのでしょうね。


(2004.2.29 脱稿)
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